タワーマンションは資産としても住環境としても魅力的ですが、中古のタワーマンションでは売却に苦労するケースが増えています。また、最新設備やデザインの新築物件に対抗するための戦略が求められることもあります。そこで本記事では、売れにくい物件の特徴や対策について詳しく探ります。
中古のタワーマンションは売れないってほんと?
一見、憧れの象徴としてみられるタワーマンションですが、中古市場においては売れにくい物件として分類されることがあります。
その理由を探ってみましょう。
中古でも価格が高い
タワーマンションは眺望や日当たり、共有施設の豪華さから中古でも資産価値が下がりにくい不動産です。
そのため、築年数が多少経過しても価格が大きく下がらず、買い手にとっては割高に感じられるほど、中古でもタワーマンションは高めの価格設定になっています。このため「この価格なら新築マンションのほうがいい」と考える人が多く、中古のタワーマンションは敬遠されがちです。
新築の需要が高い
新築の需要が高いことも影響しています。
とくに1990年代以降、新築のタワーマンションが次々と建設されているうえに、富裕層は新築物件を好む傾向があります。このような事情により、中古のタワーマンションは需要が減少し、売れにくくなっています。
競合が多いエリア
競合マンションが多いエリアでは、中古のタワーマンションが売れにくい傾向があります。
とくに東京湾岸エリアなどでは、新築のタワーマンションが次々と供給されるため、中古のタワーマンションの需要が低下し、価格の暴落も懸念されています。
大規模修繕費が高い
大規模修繕費が高いことも、中古のタワーマンションの売れ行きを鈍らせる要因です。
20年程度で行われる大規模修繕には数十億円の費用がかかることもあるほど、修繕積立金が高額になります。これが、購入をためらう理由となります。
災害リスク
災害リスクに対する懸念も無視できません。
とくに、地震による揺れに対する不安から「タワーマンションは地震に弱い」といったイメージを持つ人が多い傾向にあります。実際には高度な地震対策がとられている物件も多いものの、地震に弱いというイメージが中古のタワーマンションの売れ行きに影響を与えています。
税金対策としての魅力が薄れた
かつて、タワーマンションの購入はタワマン節税として富裕層に人気がありました。
購入した値段よりも相続税の寸刻額が大幅に低くなるという、タワーマンションの特徴を活かした節税方法です。しかし、節税対策に対する課税強化の動きが進み、その魅力は薄れつつあります。
売れにくい物件の特徴
ただでさえ「中古のタワーマンションは売れにくい」といわれていますが、そのなかでもとくに売れにくい物件が存在します。
要因のひとつとしては、立地や景観が悪いケースが挙げられるでしょう。たとえば駅から遠く、学校からも遠いエリアでは、買い手の関心を引くことが難しい傾向があります。さらに、部屋からの眺めがよくない、低層階で日当たりが悪いといった理由なども、購入意欲を削ぐ要因となり得ます。
低層階の部屋はとくに、日当たりの悪さや周囲の騒音が気になることが多く、またセキュリティ面でも不安を感じる人が多いです。さらに、虫の発生や高層階へのコンプレックスも影響し、需要が高まることは稀でしょう。
築年数が古い場合も、やはり購入のネックになるポイントです。築年数が15年以上の物件は、大規模修繕工事のタイミングが近づいている可能性があるためです。この工事は費用や工期の面で不安要素となり、購入意欲を抑える要因となりかねません。
また、周辺の学校が定員オーバーである場合、子どもの教育環境への影響が心配されるため、不動産の魅力が薄れることも考えられます。
中古のタワーマンションをなるべく高く売りたい!解決策はある?
中古のタワーマンションを高値で売却するには、いくつかの工夫が必要です。
そこで、どのような解決策・対策をすればよいのか解説します。
築年数が浅いうちに売却する
中古マンション市場では、築浅の物件が人気を集めます。
できるだけ築年数が浅いうちに売却することで、物件の魅力を最大限に引き出せます。ただし、所有期間によっては譲渡所得税の税率に影響があるため、売るタイミングを計画する際には税金の面も考慮しましょう。
複数の不動産会社に査定を依頼する
不動産会社には、それぞれ得意な地域や物件タイプがあります。
その地域で実績のある数社に査定を依頼し、適切な価格設定を行うことが重要です。複数の査定を比較することで、適正な市場価格を把握し、高値での売却を目指しましょう。
ホームステージングで売り出す
ホームステージングは、物件の内覧時に家具や小物を配置して、魅力的な雰囲気を演出するサービスです。
費用はかかってしまいますが、この演出によって内覧者の印象がよくなり、成約率が向上する効果が期待できます。
不動産コンシェルジュに相談する
売却が難しい場合や、最適な戦略を模索したい場合には、不動産コンシェルジュの専門知識を活用するのも一案です。
彼らは市場動向や戦略立案に精通しており、貴重なアドバイスを提供してくれるでしょう。
まとめ
中古のタワーマンションは、売れにくい物件として扱われることがあります。しかし、個々の物件の特徴や立地条件によって状況は異なるため、購入を検討する際には慎重な判断が必要です。さらに、中古のタワーマンションを売り出す際には、その物件固有のメリットとデメリットを明確に伝えることが大切になります。買い手のニーズに合わせた柔軟な対応や、周辺環境のよさを強調することで、売却の際の成功率を高められるでしょう。