不動産売却にはさまざまな手続きが発生します。たくさんの書類に記入したり書類を用意したりするため何か抜けがあっても間にあうよう、早めに準備しておくのが大切です。なかには手続きをするのに費用が発生する場合もあるのである程度下調べしておくとあわてなくてすむでしょう。今回は不動産売却時に必要な登記手続きについて解説します。
不動産売却で登記が必要?その理由とは
不動産登記について知っていますか?なんとなく聞いたことがあるけれどどんなものか知らないという方もいるでしょう。不動産を売る際には不動産登記をする必要があるのでどんなものなのか理解しておきましょう。
不動産登記って何?
不動産登記は土地や建物の所在、面積、所有者の名前や住所などを公の登記簿に記載することです。そして一般公開することで誰の所有する不動産なのかを誰にでも確認できるようになっています。
登記簿を確認することで不動産の取引を安全かつスムーズに取引が行うことができるようになっています。
なぜ登記が必要なのか?
町中にはたくさんの建物や土地がありますが、それが誰の土地なのか知っていますか?
建物や土地には所有者の名前が書いていないので、他人から見ると誰の持ち物なのか分かりません。よくあるのが、親の名義のままその子どもがそこに住んでいるというパターンです。
いざ家や土地を売却しようと思っても親の名義のままにしておくと子どもが自由に売却はできません。不動産登記は所有者が誰なのか分からないため第三者に向けて権利を主張する、自分の所有物であることを示すために行うものです。
売却時に発生する不動産登記の種類とは
不動産登記にはいくつか種類があります。どんなときにどの登記を行うのか把握しておきましょう。今回は不動産を売却するときの登記の種類について解説します。
抵当権抹消登記
家を購入する場合、多くの方がローンを組んで家を建てるでしょう。金融機関は利用者がローンを支払えなくなったときのために不動産に抵当権を設定しておき、万が一ローンの支払いが滞った場合、不動産を売却することでお金を回収できるようになります。
そのためローンの支払いがおわらない状態だと抵当権は設定されたままになります。住宅ローンを完済した場合、この抵当権を削除することで不動産の売買や新しいローンを組むことができるようになるため、ローンを完済したら抵当権抹消登記を行いましょう。
所有権移転登記
不動産を売却する際は家や土地を購入した人へ不動産登記の名義を変える必要があります。そのため所有権移転登記は名義変更をする登記になります。
不動産を決済する際に司法書士が行うことが多いです。土地と物件に対してそれぞれ登記を行う必要があるので注意しましょう。
不動産登記に必要な費用と書類は?
不動産登記を行う際にどれくらい費用がかかるのか、どんな書類が必要なのか解説します。不動産を売却する場合には不動産会社への仲介費用や登記などのこまごました諸費用が発生します。
希望の金額で不動産を売却できそうだと思っていたら、仲介費用がかかるのを失念していてお金が足りなくなってしまったという状況にならないよう、不動産売却に関する費用はしっかり把握しておきましょう。
抵当権抹消登記にかかる費用とは
不動産ひとつで1,000円の登録免許税がかかります。一軒家のような土地と建物がある場合は2,000円かかります。登記事項証明書の発行には1,200円かかります。
手続きを司法書士にお願いする場合は報酬が必要ですが、1万~2万円程度の予算をみておけばよいでしょう。
必要書類:抵当権抹消登記の場合
・登記識別情報
・登記原因証明情報
・委任状
・金融機関の会社法人番号
などが必要です。住宅ローンを完済すると金融機関から必要書類が送られてきます。物件を売却する必要がしばらくないからといって抹消手続きを長期間しないでいると、書類を紛失してしまうかもしれません。
書類が届いたら手続きをしてしまうのがおすすめです。
なお注意点として、家から近い法務局に行って手続きができないという点があります。不動産を管轄する法務局に提出する必要があるため管轄を調べておきましょう。
所有権移転登記にかかる費用とは
所有権移転登記は不動産の買主側が行うのが一般的になります。
登録事項証明書や印鑑登録証明書、固定資産評価証明書、資格証明書などの発行手数料にそれぞれ300円~600円程度かかります。また移転登録には登録免許税がかかり、税率、固定資産税によって変化します。
司法書士に手続きを依頼した場合は3万~5万円ほどの報酬が必要になるでしょう。
必要書類:所有権移転登記の場合
・登記原因証明情報
・委任状
・登記識別情報
・固定資産評価証明書
・戸籍附票
・印鑑証明書
・住民票
などが必要になります。売主が用意する書類と買主が用意する書類があります。
まとめ
不動産の売却にはさまざまな手続きが必要になります。登記手続きも重要な手続きです。分からないことがあれば不動産会社や司法書士に聞いて手続きを進めましょう。自分で手続きが難しい場合は司法書士に手続きを依頼することで代行してもらえます。司法書士は不動産会社から紹介してもらえることが多いですが、自分で探す場合は不動産登記に強い方を選びましょう。