引っ越しや転居にともなって不動産を売却する際に、多くの人が共通して「少し手も高く売りたい」と思うことでしょう。不動産を高く売るには、具体的な方法を知り、それを実践する必要があります。本記事では、不動産売却を有利に進める方法や、売却時にやってはいけないことをまとめて解説します。
不動産を高く売るための方法
不動産をできるだけ高値で売却するためには、9つの重要なポイントがあります。
売却に関する知識を持つ
まず、売却に関する最低限の知識を自分でも持つことが大切です。税金や諸費用、仲介契約の種類などを理解しておくことで、売却後の手取り額を正確に把握でき、自分に合った契約を選びやすくなります。
適正な売り出し価格を設定する
次に、事前に近隣の価格相場を把握し、適正な売り出し価格を設定することが重要です。相場とかけ離れた価格設定をすると売却が長引く可能性があるため、周辺の売却実績などをしっかり調べておきましょう。
スケジュールに余裕を持つ
さらに、スケジュールには余裕を持つべきです。焦って売却すると、買主の値引き交渉に応じてしまうリスクが高まります。
タイミングを見極める
また、売却のタイミングを見極めることも高値売却には欠かせません。新年度前の2〜3月や不動産相場が上昇している時期、所有期間5年以上で税率が下がるタイミングなどがベストとされています。
複数社に比較査定をしてもらう
複数の不動産会社に査定を依頼して、査定価格や根拠を比較することも有効です。会社ごとに査定額は異なるため、3〜5社程度に依頼するのが理想的です。
担当者との相性を確認する
担当者との相性を確認することも重要です。担当者と相性が合わないと、売却活動が長引いたりスムーズに進まなかったりする可能性があります。
物件に合った不動産会社を選ぶ
物件に合った不動産会社を選ぶこともポイントです。例えば、マンションや戸建てなどの種別や、地域に強い会社を選ぶと良い結果につながりやすいです。
内覧対応の準備を行う
また、内覧対応に向けての事前準備も怠ってはいけません。内覧時の印象は購入意欲に直結するため、清掃・整理整頓を徹底し、書類も用意しておくことを推奨します。汚れが落ちない場合には、ハウスクリーニングも検討しましょう。
値引き交渉を想定する
そして最後に、値引き交渉を想定した売出し価格の設定も必要です。購入希望者からの値引き要望は避けられないケースが多いため、あらかじめ値引き分を含めて価格を設定し、不動産会社と相談しながら戦略的に進めることが大切です。
不動産を高く売りたい場合にやってはいけないこと
不動産を高値で売却したいと考える場合、避けるべき行動がいくつかあります。
査定価格だけで不動産会社を選ぶ
まず、査定価格が高いという理由だけで不動産会社を選ぶのは危険です。相場以上の査定額を提示する不動産会社を選んだ結果、実際の売却活動で物件が長期間売れ残り、最終的には値下げを余儀なくされるケースも少なくありません。
売れ残りの印象が付いてしまうと、価格を下げても買い手が現れにくくなるリスクもあります。そのため、相場を自分で把握した上で不動産会社を選ぶことが重要です。
値下げ交渉に一切応じない
次に、値下げ交渉を一切受け付けない姿勢も避けるべきです。実際にはほとんどの購入希望者が値下げ交渉をしてくるため、交渉に全く応じない姿勢を見せると購入検討者が離れ、成約に至らない可能性が高まります。
事前に値引き余地を含めた価格設定をしておき、ある程度柔軟に交渉できるように備えることが肝心です。
マイナス要素を隠す
また、物件の欠陥や近隣トラブルといったマイナス要素を隠して売却するのも、非常にリスクが大きいです。こうした事実を隠して取引を進めてしまうと、引き渡し後に問題が発覚し、買主から損害賠償を請求されるなど深刻なトラブルに発展する可能性があります。
欠陥がある場合は査定時に不動産会社に正直に伝え、最適な販売戦略を相談することがトラブルを避けるためにも重要です。
内覧者と口約束を交わす
さらに、内覧時に購入希望者と安易に口約束を交わすことも避けるべき行為です。例えば「家具を残してほしい」といった要望を内覧時に受け、その場の流れで軽率に了承してしまうと、条件の食い違いが後のトラブルを招きかねません。
売買に関わる取り決めは、必ず不動産会社を通して契約書に盛り込み、正式に合意することが必要です。
売却価格にこだわって販売タイミングを逃す
最後に、売却価格にこだわりすぎて販売タイミングを逃すことも、高値売却を妨げる要因になります。不動産価格は季節や景気などの外部要因に影響され、相場が下がるタイミングを迎えると希望価格での売却は難しくなります。
相場が高いうちに柔軟な判断で売却を進めることが、結果的に高値での成約につながる可能性が高いです。希望額に固執して長期間売れない状態が続けば、相場の下落や物件の鮮度低下により、より大きな値下げが必要になるケースもあります。
まとめ
不動産を高く売るには、売却知識の習得や適正価格の設定、スケジュール管理、複数社への査定依頼、担当者との相性確認など9つのポイントを実践することが大切です。一方で、査定価格だけで不動産会社を選ぶ、値下げ交渉を完全拒否する、欠陥を隠すなどの行動は、高値売却を妨げる大きなリスクになりかねません。売却を成功させるには、柔軟かつ戦略的に売却活動を進め、タイミングを逃さない冷静な判断が重要です。
