
転勤が決まった際の悩みの種の1つとして「いま住んでいる不動産をどうするか」というものが挙げられます。転勤している期間中に貸し出しを行う選択肢もありますが、手間を考えると売却を行うのが現実的です。本記事では、転勤時のマンション売却のコツやタイミングについて詳しく紹介するので、ぜひご一読ください。
マンションをできるだけ早く売却するコツ
転勤で急いでマンションを売却する場合、売買スケジュールが限られている中で少しでも早く売る必要があります。以下では、その具体的なコツを3つ紹介します。
一般媒介契約を結ぶ
1つ目は「一般媒介契約」を結ぶことです。これは複数の不動産会社に同時に仲介を依頼でき、より多くの買い手に物件を見てもらえる可能性が高まる方法です。ただし、不動産会社間で過剰な値引き競争が起こりやすく、相場より安く売却してしまう恐れがある点がデメリットとして挙げられます。
必要書類を同時並行で用意する
2つ目は必要書類を同時並行で準備しておくことです。登記済権利証や間取り図、マンションの管理規約など多くの書類が必要となるため、売却活動と並行して早めに準備を進めることで、売買成立までの時間を短縮できます。担当者と相談しながら必要書類を漏れなく揃えることが重要です。
販売価格を下げる
3つ目は思い切って販売価格を下げることです。例えば3000万円の物件を2980万円に値下げするなど、端数を使った価格設定や、ポータルサイトの検索条件を意識して価格帯を調整する方法が効果的です。
検索条件では500万円刻みで区切られていることが多いため、たとえば3020万円の物件を3000万円以下に下げることで検索結果に表示されやすくなり、購入希望者の目に留まる機会を増やせます。
転勤に伴うマンション売却のベストなタイミング
転勤に伴うマンション売却においては、転勤前と転勤後のどちらで売却活動を始めるのがベストかは一概には言えず、状況や優先事項によって選択肢が変わります。
転勤前の売却のメリット・デメリット
転勤前に売却を進めるメリットは、現地にいる間に物件の掃除や内覧準備ができ、不動産業者との打ち合わせもスムーズに行えるため、売却活動に専念できる点です。加えて、転勤後には新生活に集中でき、空き家状態による管理コストや防犯面の心配も不要になるなど精神的・経済的な負担を軽減できます。
しかし、転勤までの時間が限られているケースでは売却を急がなければならず、希望価格を下回る条件で売却してしまう可能性がある点がデメリットです。
転勤後の売却のメリット・デメリット
転勤後に売却を行う場合のメリットは、売却までの時間に余裕を持てるため、市場動向を見ながら最適なタイミングで納得のいく価格で売却できる可能性が高まることです。市場が好転すればより高値での売却も期待できます。ただし、転勤後は物件が空き家になるため管理や維持費用が発生し、定期的な清掃や防犯対策が必要になるなど経済的・時間的負担が増えます。
さらに遠隔地から不動産業者とのやり取りや内覧調整をする必要があり、意思決定が遅れることも懸念事項です。加えて、賃貸に出す場合は賃借人対応やトラブルリスクが生じ、売却しづらくなる可能性もあります。
転勤時のマンション売却を成功させるためのポイント
転勤者がマンションをスムーズかつできるだけ高く売却するためには、いくつかの具体的なポイントを押さえる必要があります。
実績のある不動産会社に依頼する
まず、自分が住んでいるマンションの別部屋を売却した実績がある不動産会社に仲介を依頼することが重要です。実績のある会社は購入希望者の傾向を把握しているため、早期かつ納得できる価格で売却できる可能性が高まります。
適正価格で売り出す
次に、複数の不動産会社を比較し、適切な価格で売り出すことも大切です。相場より高すぎる価格設定は売れ残りの原因になり、安すぎると損をしてしまうため、周辺物件の取引価格や市場動向を踏まえた適正価格の設定が不可欠です。
アピール活動を行う
また、不動産会社に任せきりにせず、自らもアピール活動を行うことがポイントです。不動産会社作成のチラシやポータルサイト上の情報が魅力的でない場合は、自分でチラシを作成したり、不動産会社に情報修正を依頼することで買い手を引き付ける可能性が高まります。
購入希望者への対応をていねいに行う
さらに、購入希望者への柔軟な対応も求められます。価格交渉や条件の変更に前向きに応じたり、質問にていねいかつ迅速に対応することで良好な関係を築け、スムーズな売却へとつながります。内覧時には物件を清掃・整理し、第一印象を良くすることも大切です。
信頼できる不動産会社を選ぶ
最後に、信頼できる不動産会社を選ぶことがマンション売却成功のカギです。地域の市場を熟知し積極的に販売活動を行う会社や、担当者とコミュニケーションを取りやすい会社を選ぶことで、価格設定や売却戦略を的確に進められます。
まとめ
転勤に伴うマンション売却は、時間的制約と価格面の両立が大きな課題です。この記事では、転勤前後それぞれの売却タイミングのメリット・デメリットを比較し、限られた期間内で早く売るための具体的なコツを紹介しました。さらに、信頼できる不動産会社の選び方や適正価格の設定、自らの積極的なアピール方法、購入希望者への柔軟な対応など、転勤者が後悔なくマンションを売却するためのポイントも紹介しています。本記事を参考に、急な転勤でもスムーズに、かつ納得のいく条件での売却を実現させましょう。