マンションを売却する際は、土地や住宅を売却する場合とは違う流れになります。そのため、マンション売却に関する基礎知識をつけることが大切です。本記事では、マンションを売却する流れ、かかる費用、売却時の注意点を徹底的に解説します。マンションを売るか悩んでいる人の参考になれば幸いです。
マンションを売却する際の流れ
中古マンションの売却には多くの準備が必要で、手間がかかると感じる方もいるでしょう。しかし、事前に流れを把握することでスムーズに進められ、失敗を避けやすくなります。
また、分からないことがあれば不動産会社にアドバイスを求められます。ここでは、一般的なマンション売却の流れを解説します。
売却準備・資金計画
まず、売却準備として資金計画や必要書類の準備をおこないます。売却相場を調べ、自身のマンションの状態や築年数に基づき、周辺のマンションの価格を確認します。
査定依頼
次に、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額を比較します。高すぎる価格では売れず、安すぎると損をするため、適正な売り出し価格を設定することが重要です。
付帯設備表と告知書の提出
マンションの付帯設備表と告知書の提出も必要です。付帯設備表はマンションの設備に関する情報をまとめたもので、告知書は物件に関する売主の知っている情報を記載したものです。
これらの情報が不十分だと、売却後に契約解除や損害賠償を求められる可能性があるため、細かく記載することが求められます。
販売活動
媒介契約を結んだ後は、不動産会社による販売活動が始まります。売主が対応するのは内覧のみで、室内の掃除などをおこない内覧者に好印象を与えることが重要です。
売買契約
買主が決まったら、売買契約を締結します。契約書に署名・捺印し、買主から手付金を受け取ります。売主は不動産会社に仲介手数料を支払います。
契約後にキャンセルが発生した場合には違約金が発生するため、契約内容の詳細をしっかり確認します。
引き渡しの準備
売買契約締結後は引き渡しの準備を進めます。引き渡しまでの期間は約1カ月で、引き渡し当日に残代金の決済もおこなわれます。
確定申告
最後に、マンション売却によって得た利益には所得税と住民税がかかり、確定申告の義務が発生します。節税や還付金のための確定申告も忘れずにおこないましょう。
マンション売却にかかる費用
マンション売却には、仲介手数料、印紙代、登記費用、譲渡所得税など、さまざまな費用がかかります。これらの総額は、売却価格の約3.5%が目安とされています。
以下、それぞれの費用について詳しく説明します。
仲介手数料
仲介手数料は、不動産会社に支払う成功報酬です。売買契約が成立した場合にのみ発生します。不動産会社との契約を締結する前に、仲介手数料がどのくらいかかるのか必ずチェックしましょう。
印紙代
売買契約書は課税文書のため、印紙代が必要です。印紙代は取引価格に応じて異なります。
登記費用
住宅ローンを支払っている、または完済後に抵当権抹消登記をしていない場合、売却時に抵当権抹消登記が必要です。登記には、登録免許税と司法書士報酬がかかります。
譲渡所得税
土地や建物を売却して利益が出ると譲渡所得税がかかります。これは所有期間によって税率が異なります。
各種証明書類
売却時には、印鑑証明書や住民票、固定資産税証明書などが必要です。これらの書類は市区町村役場で取得でき、1件につき300円~400円程度かかります。
ローンの返済に必要な費用
住宅ローン残債があるマンションは、ローンを完済しなければ売却できません。住宅ローンを一括返済する場合、金融機関によっては手数料が発生します。金額は1万~5万円程度が目安ですが、詳細は金融機関により異なります。
マンションを売却する際の注意点
マンションの売却は注意点がすべき点が多く、事前準備が鍵となります。以下は、マンション売却前の主な注意点です。
マンション市場が活発なタイミングを狙う
マンション市場が活発になる時期を狙うことが重要です。とくに2~3月は、新生活を始める人々が多いため、購入希望者が増えます。売却を成功させるためには、遅くとも10~12月上旬までに不動産会社の選定や査定依頼を始める必要があります。
相場を参考に売り出し価格を設定する
適切な売り出し価格を設定することは、売れ残りを防ぐために非常に重要です。近隣の売却相場を調べ、高すぎず低すぎない価格を設定することが推奨されます。
いつまでに売るのか売却期間を設定する
売却期間を明確に設定することで、売れ残りを防げます。たとえば、3カ月で売りたいのか、半年で売りたいのかを決め、計画的に進めましょう。
マンション売却が得意な不動産会社に依頼する
不動産会社の選定も重要です。マンション売却の実績が豊富な会社に依頼することで、スムーズな売却が期待できます。
査定額や相性を考えて不動産会社を選ぶ
査定額だけでなく、担当者との相性も重要です。査定額が高すぎると売れにくく、低すぎると損をします。また、信頼できる担当者がいる不動産会社を選ぶことで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
自分に合う契約方法を選ぶ
媒介契約には、「専属専任媒介契約」「専任媒介契約」「一般媒介契約」の3種類があります。
専属専任媒介契約は、不動産会社1社のみと契約し、手厚いサポートが受けられます。専任媒介契約は、自分で買い手を見つけられる点が異なります。一般媒介契約は、複数の不動産会社と契約できますが、積極的な販売活動を期待しにくいです。
売り逃さないように最低売却価格を決める
売却価格にこだわりすぎると売れ残る可能性があるため、最低売却価格を設定しておくことが重要です。たとえば、希望売却価格よりも少し高めに設定し、値引き交渉を見越しておくとよいでしょう。
まとめ
マンション売却には独自の手順と準備が必要です。まずは売却準備と資金計画を立て、必要書類を揃えます。
複数の不動産会社に査定を依頼し、適正な売り出し価格を設定します。媒介契約を結び、販売活動を開始。買主が決まったら売買契約を締結し、引渡しの準備をおこないます。売却後は確定申告も忘れずにおこないましょう。
費用には仲介手数料や印紙代、登記費用、譲渡所得税などがかかります。市場のタイミングや相場を考慮し、信頼できる不動産会社を選ぶことが成功の鍵です。
