不動産売却をする際、同じ物件でも会社によって売値が変動する場合が多いです。それ以外にも、売却時のサポート体制や顧客層の違いなど、不動産会社ごとに特徴があるでしょう。本記事では、不動産売却における会社選びのポイントと、大手企業と地元中小企業の不動産会社それぞれの特徴を詳しく解説します。
不動産売却における会社選びのポイント
不動産の売却において、不動産会社選びは極めて重要です。戸建てやマンション、土地などの不動産を高く売るためには、適切な仲介業者を見つけることがカギとなります。
以下に、不動産会社を選ぶ際のポイントを詳しく解説します。
不動産売却の実績が豊富
不動産会社の売却実績は、会社選びの重要な基準です。不動産会社には賃貸仲介が得意な会社と、売買仲介が得意な会社があります。不動産会社を選ぶ際は、まずホームページなどで売却実績を確認することが大切です。
営業担当者の対応が優れている
不動産の仲介業務は、営業担当者の能力が結果を大きく左右します。
対応が優れた営業担当者の特徴として「レスポンスが早い」「専門知識が豊富」「相場に詳しい」「質問に対して調査したうえでていねいに回答する」などが挙げられます。
誠実で感じのよい営業担当者は、買主からの信頼も得やすく、最終的に契約を成立させる力が強いです。
物件と同じ地域に営業店がある
不動産会社を選ぶ際には、物件の近くに営業店がある会社を選ぶことが基本です。同一市町村内に営業店がある会社が望ましいです。
遠方の不動産会社は地域の特性を十分に理解していないことが多く、対応が手薄になる可能性があります。
インターネット広告にも力を入れている
現在、買主の問い合わせの多くは不動産ポータルサイトからのものです。そのため、インターネット広告に力を入れている不動産会社を選ぶことがポイントです。
広告が充実していると、購入希望者が物件を検討しやすくなり、問い合わせ件数が増加し、売却の確率も上がります。
不動産の査定額に根拠がある
不動産会社が提示する査定額に対して、根拠のある説明をしてくれることも重要なポイントです。
周辺の取引事例を交えながら価格を説明してくれる会社が望ましいです。根拠のない高い査定価格で売りに出すと、売却まで時間がかかり、最終的には大幅な値引きが必要になるリスクがあります。
大手不動産会社の特徴
大手不動産会社には、多くのメリットとデメリットがあります。ここでは、大手不動産会社の特徴を解説します。
一定の信頼感がある
大手不動産会社の最大の特徴は、そのブランド力による一定の信頼感です。長年の実績と広範なネットワークをもつ大手不動産会社は、従業員の教育が行き届いており、専門知識とスキルを備えたスタッフが多く在籍しています。このため、買主からの信頼も厚く、無難に物件を売却してくれることが期待できます。
無料サービスが充実している
大手不動産会社は、無料サービスの充実度でも優れています。たとえば「ハウスクリーニング」「簡単な修繕」「専門家による建物状況調査」など、多岐にわたるサービスを無料で提供してくれることが多いです。
ただし、自分の物件にとって必要なサービスが提供されているかを確認し、それに応じて不動産会社を選ぶことが重要です。
仲介手数料は値引きしにくい
大手不動産会社のデメリットとして挙げられるのが、仲介手数料が値引きしにくい点です。
一般的に、大手不動産会社は規制で定められた上限額である「取引額×3％＋6万円（プラス消費税）」を満額で請求してくることが多いです。この規制はあくまで上限額であり、理論上は値引き交渉も可能ですが、大手の場合、こうした交渉に応じてくれないことが一般的です。
地元中小不動産会社の特徴
地元の中小不動産会社には、大手にはない独自の特徴と強みがあります。その特徴を理解することで、適切な不動産会社を選ぶ際の参考になります。
地域の相場に精通している
地元の中小不動産会社は、地域の相場に非常に精通しています。とくに土地や戸建てに関しては、その地域に長年根付いて営業しているため、最新かつ詳細な相場情報を把握しています。
これは、遠方の大手不動産会社にはない強みです。これにより、高すぎて売れ残ったり、安すぎて損をしたりといったリスクを回避しやすくなります。
見込み客を抱えていることもある
地元の中小不動産会社は、地域の見込み客を抱えていることが多いです。中古住宅市場は比較的狭い範囲での取引が多く、購入者の多くは地元やその周辺に住む人々です。とくに大都市を除けば、地元で物件を探す人々が主な購入層となります。
こうした背景から、地元の不動産会社には「近くに売り物件が出たら紹介してほしい」といった依頼が常にあります。売却を依頼する前から見込み客を抱えている場合が多く、迅速な売却につながる可能性が高いです。
実力にバラツキがある
地元の中小不動産会社には、会社ごとに実力にバラツキがあるという特徴があります。優れた中小不動産会社は、大手に劣らない実績とサービスを提供しており、高い顧客満足度を誇ります。
しかし、反対に、旧態依然とした経営を続けている会社や、十分な営業力やサービスを提供できない会社もあります。中小不動産会社を選ぶ際には、営業担当者の対応力や実績をしっかりと見極めることが重要です。
まとめ
不動産売却を成功させるためには、不動産会社選びが重要です。
大手不動産会社は信頼感があり、従業員の教育が行き届いているため、無難に売却できる安心感があります。また、無料サービスが充実している一方で、仲介手数料の値引きが難しいというデメリットもあります。一方、地元中小不動産会社は地域の相場に精通しており、見込み客を抱えていることが多く、迅速な売却が期待できます。しかし、会社によって実力にバラツキがあるため、営業担当者の能力や対応力を見極めることが重要です。
どちらを選ぶかは、物件の種類や地域、サービスの内容に応じて慎重に判断することが求められます。信頼できる不動産会社を見つけることで、高値での売却とスムーズな取引を実現しましょう。
